イタンジ社長 伊藤嘉盛のブログ

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部屋探しの前にハッキリとさせておきたい3つの疑問

部屋探しのときに気になることや疑問があっても、うやむやのまま契約まで進んでしまうことってありますよね。賃貸で引っ越すのは生涯で1~2度程度ですし、不動産業界を経験していないとなかなか理解できない不動産取引特有の商習慣があるので、やむを得ないことだと思います。今回は、部屋探しの時に生じる疑問について、不動産業界経験者の視点から解説します。

 


①申込が入りそうですは本当か
内見をした後によく言われるセリフです。果たして「申込が入りそうです」という不動産屋さんの言葉は本当なのでしょうか。
これは、本当の場合もあるし、申込の意思決定をあおるためにいう場合もあります。不動産屋さんにあおられないためには、申込が入りそうな物件の内見はしない旨を伝えることです。さらに、内見を予定している物件の当日の内見予約数を事前に確認するとよいです。これら二つのことをするだけで、不動産屋さんに前もって釘をさすことになり、不動産屋さんは簡単には「申込が入りそうです」とは言えなくなります。
一方、本当に申込が入りそうな場合もマイペースを保つことが肝心です。物件を取られないように我先にと申込をしてしまうと、条件交渉のタイミングを逸してしまいます。このタイミングで不動産屋さんに交渉のイシニアチブを取られてしまうと、他に申込希望者がいることを理由に、なし崩し的に交渉を譲歩することになってしまいます。もう一方の申込者が条件交渉をしていないとは限らないので、申込が入ると聞いても焦らずきっちりと条件交渉をしましょう。

 

②上手な賃料交渉の方法は
ズバリ、多少ふっかけて交渉を始めることです。不動産取引の場合、最初の条件オファーより好条件で成約することはありません。もしも貸主側に5,000円の賃料交渉幅があったのにも関わらず、3,000円の賃料交渉からスタートしてしまうと最高の条件で入居することはできません。目安としては、賃料であれば5~7%程度の交渉からスタートしましょう。(家賃10万円の場合、5,000円程度の交渉から始める)不動産屋さんにこの条件だと難しいかもしれないと言われても、まずは大家さんに相談してみてください、とお願いしてみましょう。

 

③仲介手数料無料は本当にお得なのか
仲介手数料が無料になるケースは2つあります。ひとつは、管理会社や貸主から直接募集の依頼を受けている元付(モトヅケ)会社と直接取引した場合です。この場合、管理会社・元付会社は貸主から手数料をもらっているため、借主から手数料を取らないことがあります。
もう一つは、募集の大元ではない仲介会社に広告料という手数料が支払われるケースです。広告料とは、貸主または管理会社から仲介会社に支払われるインセンティブ・フィーのようなものです。この場合、仲介手数料は無料になるものの、広告料の原資は借主が支払う礼金であったり、毎月の家賃に上乗せされていたりするので、実は借主の経済的メリットは小さかったりします。
また、広告料が発生する物件を管理会社と直接契約すれば、広告料分が割安になり(礼金がゼロになったり、フリーレントがついたり)、さらに、仲介手数料が無料になる場合がありますので、「仲介手数料無料」がどちらのケースがよく確認をしましょう。
参考:出来る限り「大家に近い物件」を探す方法

以上、みなさんも不動産取引の仕組みや傾向を知って、上手に部屋探しをしましょう。