イタンジ社長 伊藤嘉盛のブログ

ITを使って不動産業界にイノベーションを生むイタンジ株式会社の社長ブログ

本日4/21(月)からスタート! HEYAZINE新サービス「セルフ内見」

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“一人”で気軽に内見をする。これから一緒に暮らす人と、“二人だけ”で部屋を見る。

セルフ内見って何?漫画でわかるセルフ内見の仕組み - 賢い人の部屋さがし HEYAZINE

そんな新しいサービスを考えた。 部屋探しの経験がある人なら知っていると思うが、内見には時間がかかる。まず住みたい街の「不動産屋」に行き、希望の条件を伝え、物件の紹介を受けて、内見が可能かを確認する。そして物件に足を運び、部屋を見て、説明を受け、考え、「不動産屋」に帰って悩み、迷って、「早くしないと明日には埋まる可能性がありますよ」と急かされて……。現状の「内見」は、こうして一つの物件を見るのにも、手間と時間がかかり、さらに複数の物件を回るとなると、それこそせっかくの休みを、1日「不動産屋と物件めぐり」に費やすことになる。

だからHEYAZINEは、「不動産屋」に行かなくても “ユーザーだけで内見”ができる仕組みをつくった。それが「セルフ内見」だ。HEYAZINEを利用して「セルフ内見」をすれば、

①物件めぐりに割く時間を短縮でき、「不動産屋」の視線や意見を気にすることなく、
②自分の(自分たちの)ペースでゆっくりと部屋を見ることができ、
③さらには「セルフ内見特典」(=初期費用の割引など)を受けられる場合もある。

そして「セルフ内見」のフローは、驚くほどシンプルで簡単だ。対象物件を「セルフ内見」したいと思ったら、

①申込フォームで連絡先情報などの必要事項を入力し、本人確認書類を添付する
②すると申込確認メールが届き、その後 管理会社から内見方法の連絡が来て、内見日時の調整をする
③そして内見日時が確定したら、“ユーザーだけ”でセルフ内見に出発する

例えばデパートやセレクトショップでも、店員に声をかけられたい人もいれば、一人で見たい人もいる。これは部屋探しでも同じだと思う。しかし部屋探しの場合、「不動産屋」に案内してもらうことはできても、“一人でゆっくりと見たい”というニーズに答えるサービスはなかった。

だから「急かされることなく、一人でゆっくりと内見がしたい」「貴重な休日を、一日物件めぐりに費やしたくない」。そんなユーザーの声に答えるためにも、このサービスをつくろうと思った。そのほかにも女性の意見として挙がった、「男性営業マンと密室空間に入るのが苦手」という悩みも、この「セルフ内見」を利用すれば解決できる。また夫婦やカップルで内見をすれば、その場で物件の感想を本音で言い合えるので、より充実した内見になるだろう。

思えばスーパーにもガソリンスタンドにも、「セルフレジ」や「セルフガソリンスタンド」が存在する。だから部屋探しにも、「セルフ内見」というサービスをつくった。このサービスは、ユーザーの部屋探しに対する意識と行動を変えるはずだ。それは「ただ案内された部屋を何となく見る」ことから、「住みたい部屋を“自分”で探して“自分”で見に行く」というふうに、部屋探しを能動的で楽しいものに変えていく。こうした「セルフ内見」という方法が、新しい部屋探しのスタンダードになってほしいと思っている。

□「セルフ内見」誕生の秘密

「バイトをして、貯金をしてから出直します……」 こうして顔を曇らせ、帰っていった人をたくさん見てきた。それは学生や、社会人になりたての若い人に多かった。彼・彼女たちは、新しい部屋での生活を楽しみにしていたのに、「初期費用が高い」ということだけで、その部屋に住むことを諦めなければならなかった。

これは僕が、「仲介会社」を経営していたときに何度も体験したエピソードだ。そしてこの経験が、HEYAZINEをつくろうと思った経緯と、その後の「セルフ内見」誕生にもつながっている。

「仲介会社」を経営していた時の僕は、常に「自分は“仲介業者”として、本当にユーザーが求める物件を提供できているのか?」という疑問を持っていた。というのも、「バイトをして、貯金をしてから出直します」という人達に出会うたびに、僕が初期費用を安くしていれば、彼・彼女たちは希望の部屋に住めていたのに……という思いがあったからだ。

仲介会社の売り上げは、単純に言うと、入居者からもらう仲介手数料だ。だから「初期費用が高いから」と言われても、むやみに仲介手数料を下げるわけにはいかない。心が痛むからといって、そのたびに仲介手数料を下げていては、売り上げが伸びない。ビジネスとして成立しない。そんなジレンマを抱えていた。

一方で「仲介会社」は、入居者獲得のために、たくさんの広告費をかけている。例えば1つの物件に、広告費6万円をかけているのに、契約をした入居者からもらえる仲介手数料は10万円…という場合がある。それはつまり、売上の半分以上が広告費として消え、思うような利益を上げられないことを意味する。だから管理会社に連絡をして、別途「広告料を下さい」。そういう交渉をすることもある。こうして売り上げのためだけにユーザーや管理会社に働きかけていると、だんだんと自分自身(=仲介会社)の存在意義について、疑問を持つようになった。

実際に、ユーザーが求める物件と、仲介会社が案内したい物件は、真逆のことが多い。なぜなら決まりにくい物件ほど、貸主や管理会社からは広告料がたくさんもらえるから。そしてその広告料は、仲介会社の売上・利益になる。だから仲介会社はなるべく広告料が高い物件を案内しようとするが、広告料が高い(=決まりにくい)物件というのは、ユーザーが手放しで「住みたい!」と思える物件でないことが多い。このように、本当はユーザーの代理人として機能しなければならない仲介会社が、ユーザーの方向を向いてないという状態になっている。こうした矛盾や、不動産業界の物件流通構造を変えるために、僕は仲介会社を利用しなくても、部屋探しができるHEYAZINEをつくった。

そしてさらに、HEYAZINEを運営していく中で気づいたことがある。「管理会社」が、HEYAZINEに物件を載せたくても載せられないというケースが発生したのだ。それはユーザーから直接 管理会社に問い合わせがきた場合、管理会社側に対応できる人員がいない、という理由からだった。

確かに管理会社の役割は、本来 物件の「管理」をすることで、入居者に「物件案内」をすることではない。だから「管理会社」では、「案内」のための人員を確保できない場合がある。そのほかにも、「管理会社自体は新宿にあるが、物件は埼玉にある」というようなケースも少なくない。だから管理会社が物件案内をすることが難しく、ユーザー対応が十分にできないという問題を抱えていたのだ。僕はこの問題に直面して、仲介会社が管理会社に提供していた、「物件案内」(=内見)という価値の大きさに気付いた。

しかし同時に、この「物件案内」(=内見)という部分さえ乗り越えられれば、これまで掲載したくてもできなかった管理会社が、HEYAZINEを利用することができる。つまりHEYAZINEが、仲介会社の代わりに、管理会社とユーザーに対する「物件案内」(=内見)の機能を提供する。そうすることで、仲介会社を経由せず、ユーザーを適所適住へ導く。そういう新たなサービスが提供できるはずだと考えた。

そして誕生したのが、この「セルフ内見」だ。これは僕自身の経験と、仲介会社を経由しない賃貸ポータルサイト・HEYAZINEだからこそできたサービスだと思っている。
対応物件数はまだ少ないけど、みなさんの賛同を得ながらサービスを拡充していきたいので、ぜひ応援のほどお願いします。

ITで物件流通を効率化し、ユーザーの適所適住を実現する。その大きな第一歩が、今日から始まった。