イタンジ社長 伊藤嘉盛のブログ

ITを使って不動産業界にイノベーションを生むイタンジ株式会社の社長ブログ

不動産流通のイノベーション、“賃貸直販サイト”HEYAZINE

今日は私たちが運営するHEYAZINE(ヘヤジン)についてのエントリーです。
一般的な賃貸ポータルサイトと何が違うのか。また、どういうサイトなのかについて書きます。

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■不動産流通のイノベーション、“賃貸直販サイト”HEYAZINE

今回はHEYAZINEの本質を伝えるために、「不動産流通の構造」を説明しながら、その特徴について話そうと思う。とはいえ不動産流通の構造が、他の業界と比べて特別難しいわけではない。基本的には、一般的な商品流通と同じ構造をしている。だからカメラを購入予定のAさんを例にとりながら、簡単に説明していきたいと思う。

まず、ここに新しいカメラを購入予定のAさんがいるとする。
このときAさんが検討しているカメラは、

◆メーカー→卸売業者 → 小売店 → 消費者

という段階を経て、僕たちの元に届けられる。メーカーがつくったカメラを卸売業者が仕入れて、小売店に販売。そのカメラを小売店が消費者に売る、という構造だ。だから消費者のAさんは、小売店である家電量販店に行って、カメラを買おうと考えた。

それと同じで空室の賃貸物件も、

◆貸主(=メーカー)→ 管理会社(=卸売業者)→ 仲介会社(=小売店)→ ユーザー(=消費者)

という経路をたどって、僕たちの元に届く。「貸主」が持っている物件を「管理会社」が管理し、「仲介会社」が僕たちに紹介するという構造だ。だから僕たちは住みたい街の「不動産屋(=仲介会社)」に行って、空室の物件を紹介してもらう。

しかし最近では、メーカーや卸売業者がネットで商品を販売する、「ネット直販」なども広く知られるようになった。これは消費者がわざわざ小売店まで行かなくても、メーカーや卸売業者から、商品を直接ネットで注文できるという仕組みだ。しかも「小売店」を経由していないので、その分コストを削減でき、商品を安く購入できるというメリットがある。つまり「ネット直販」というスタイルを選べば、Aさんは家電量販店に行くよりも、安く効率的にカメラを入手することができる。

HEYAZINEは、不動産流通の仕組みの中で、まさにこの「ネット直販」を実現したサイトだ。「仲介会社」を経由せず、「貸主・管理会社」からの「直販物件」だけをユーザーに提供している。

■HEYAZINEの本質

Aさんはある日、カメラを買いに家電量販店に出かけた。買うからにはより良いものが欲しかったので、店を数件まわって検討した。しかしどの店に行っても、置いてある商品はほとんど同じ。どれを買えば良いのかわからなくなってしまい、結局その日はカメラを買わずに帰宅した。

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この「置いてある商品がほとんど同じ」という状態は、どの家電量販店も、同じメーカーの売れ筋商品を、同じような経路(各々が取引する卸売業者)を通して仕入れているから起こる。

そしてこの構造は、不動産業界にも当てはまる。不動産業界では、複数の「仲介会社」が競合しながら、“同じ”空室物件をユーザーに紹介している。入居者が「仲介会社」に行って物件を紹介してもらうと、「今申し込まないと、すぐに埋まっちゃいますよ」と言われるのはこのためだ。カメラを探し回ったAさんのように、部屋を探すときも、「複数の仲介会社をまわっても同じ物件を紹介される」という現象が起きてしまう。

また賃貸ポータルサイトにも、同様のことが言える。たとえば一般的な賃貸ポータルサイトは、

◆貸主→ 管理会社 → 仲介会社 →「賃貸ポータルサイト」→ ユーザー

という構造になっている。これは一般的な賃貸ポータルサイトが、複数の「仲介会社」の物件情報を集めて掲載していることを意味している。しかもここで問題なのは、「仲介会社」は“同じ”物件を他社と競合しながらユーザーへ紹介しているので、ポータルサイト内には“重複物件”が発生してしまうということだ。つまり一見物件数が多いように見えても、その中には重複物件が多数存在している。

一方HEYAZINEの構造は、

◆貸主・管理会社 →「HEYAZINE」→ ユーザー

という仕組みになっている。HEYAZINEの場合、掲載している物件の情報元は「管理会社」と「管理会社を兼ねた貸主」だ。仲介会社の「1物件×複数仲介」に対して、基本的には、管理会社は「1物件×1管理会社」の関係なので、サイト上に重複物件は殆ど存在しない。これが、HEYAZINEの仕組みと本質だ。

そして「仲介会社」を経由しないことで、正確で詳しい情報が素早く手に入ったり、契約から入居までの手続きがスムーズになったりする。また初期費用が安くなる場合もあるので、入居者に多くのメリットをもたらすサービスを提供することができる。

つまり賃貸ポータルサイトには、2つのタイプが存在する。1つは、物件の「数」で勝負しているサイト。もう1つは、数ではなく「質」で勝負しているサイト。HEYAZINEは、もちろん後者だ。

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後日。理想のカメラを探し回ったAさんは、結局直販サイトを使って、安いカメラを効率的に入手した。部屋探しでも、Aさんのように「直販」を実現できるサイトがある。それがHEYAZINEだ。