イタンジ社長 伊藤嘉盛のブログ

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事業を成功させるためには、ホップステップジャンプより垂直ジャンプ

今日は、目標達成のためにどのような経路をたどるべきか、について考えました。

結論を先に言いますと、私は最近、成功したら次のステージに挑戦するホップステップジャンプ型の打ち手はイケてないな、と思っています。

一般的には、Cという本丸の目標がある場合、A,B,Cというマイルストーンを設定して、Aが成功したらB、Bが成功したら本丸のCを成功させよう、というように考えます。これをホップステップジャンプ型の打ち手とでも呼びましょう。
たとえば、次のようなケース例です。

BtoB向けのサービスを開発しました。大きなビジネスにするために、最終的なターゲットは大手企業です。しかし、実績がないから大手企業には売り込みに行けず、まずは知人の会社に使ってもらい改善を重ねよう。試作品が出来たら、営業をしやすい中小企業に使ってもらい、利用実績をつくろう。中小企業の利用実績が十分に集まったら、大手企業に営業に行こう。

確かに現実的で、大手にいきなり営業を試みるより成功の確率が高そうに思えます。
私も実際にこのように考えて経営計画をつくっていました。

しかし、事業をやって思ったのは、ホップステップジャンプの思考だと、最終目標を完遂できない、あるいは、余計に時間が掛かるのでは、ということです。

なぜなら、各ステップの成功率の掛け合わせが、本丸を成功させる確率になってしまうからです。上の例でいえば、(知人の会社と協力して良いサービスを開発できる確率)×(中小企業が受け入れる確率)×(大手企業が受け入れる確立)の掛け合わせが成功の確率になります。ステップが増えれば増えるほど、成功までの時間が掛かるし(機会費用が大きい)、成功確率は下がっていきます。詳細まで予測されたシナリオほど予想が外れるのと同じ原理です。

また、ホップステップジャンプの打ち手で陥る失敗パターンとして、初期のステップで成功するために、初期ターゲットのニーズに合わせて製品を改善した結果、最終ターゲットのニーズとはかけ離れた製品になってしまうことがあります。考えてみれば当然だけど、中小企業に売れたからと言って大手企業に売れるとは限らない。

だから、打ち手としてイケてるのは最初から本丸に挑戦することです。
これは垂直ジャンプ型の打ち手とでも呼びましょう。
大手企業がターゲットの製品であれば、障壁が高そうでも最初から大手企業に売り込んで、無料でもいいから使ってもらって改善を重ねた方が、ホップステップジャンプより断然早いです。特に、スタートアップ企業ほど時間に迫られているから、垂直ジャンプの打ち手を採るべきだと思いました。