イタンジ社長 伊藤嘉盛のブログ

ITを使って不動産業界にイノベーションを生むイタンジ株式会社の社長ブログ

論理的思考の彼岸

ビジネス書ではロジカルシンキングが問題解決の万能薬のように取り上げられている。しかし、会社を経営していると論理だけではたどり着けない境地があることに気づく。
例えば、新規顧客を開拓しようと考えた時、クライアントへのアプローチ方法をMECEで洗い出したところで、効果的な営業戦略は立てられない。なぜなら、論理的思考で導き出したアプローチは、他の人がすでに実施した二番煎じの策であることが多く、営業を受ける側からすると「またか」となる。
結果を生み出すアイデアを発想出来るか否かは、経験に基づく「技巧」や人生で磨いてきた「センス」によるところが大きい。論理的思考とは違い、「アート」と「センス」は誰もが身に着けられるものではない。「問題解決はアートとセンスだ」なんて本があっても、読者が「習得できる」と思えないのでまったく売れないだろう。ロジカルシンキングの本が売れれば売れるほど、みんなが右の時に左へ、止まる時に全力で走るような天邪鬼な人間が成功しやすくなるのではないだろうか。
基礎体力としての論理的思考は必要だとして、まわりに頭一つ差をつけるためには、経験の量はもちろん、直観や遊び心といった思考的な揺らぎが必要だと思う。